虚空 第二章
第二章       パーティ結成と苦悩
 
今俺は集会所に居る、なぜならあの日一人では限界だと思われたからだ。集会所は
雪山にあるとは思えない程の暖かさだ、なかは小奇麗に整備され、温かな料理がおいてあり
黄金芋酒も飲み放題の酒場、何人ものハンターがひしめき合う広間に綺麗な受付嬢の
いるカウンター、さらに忘れてはいけないのがクエストボードだ。すぐに仲間探しを
開始する。まずすぐ近くに居た女性に声を掛ける、「俺はロベルト=ジルエットという者
なんだがパーティを組んでくれないか?」と問い掛ける。「あたしも仲間探してたの、私は
アリス=アミーニよ宜しく」といってくれたので「こちらこそ宜しく」といいはじめて
仲間が出来た、アリスは長い緑色の髪に青い瞳人形のような白い肌、見とれてしまうほどの
バランスの良い体形をしていてなんというかその胸も豊かだ、(おっとっと、なんつーとこ
みてんだか・・・)四人でクエストに行こうと思っていたので、強そうな大柄の男に話し掛けてみた
「俺はロベルトというものだがパーティを組んでくれんか?」と交渉してみたすると、
「面白い奴だな、大地の加護を受けているな、いいだろう組もうじゃないか、俺はロードス
=ゴードンだ宜しくな」これで3人となった。ゴードンは白いひげに狼狽した顔、がたいの良い
筋肉質の男だ。もう一人小振りの女性に声を掛ける。「俺たちはパーティを組んでいるんだが
仲間に加わってくれないか?」と言った。暫くの沈黙の後「いいわよ。私はミリア=
ソミリアよ宜しく」と言う具合で4人になったので、ためしにクックを狩りにいくことにし準備期間と
言う事で明日集会所に集まるようにし、その日は分かれた、なぜかアリスが目から離れなかった・・・
 
次ぐ日俺は早めに集会所へと赴き皆が来るまで待機していた。その時、黒装束
のハンターに声を掛けられた。「おやおやあなたは大地の加護を受けているようですな
フフフ・・・」そういうと奴は俺の隣に座ってきた。「何でこの力のことを知っている?」
と問いただすと、「フフフ、私も持っているからですよ」という奴の手は黒かった。そうして
会話しているうちにアリスがやってきた。「フフフ、私はドレイク=マッカ-トニーと
言うものですが、あなたたちは?」と聞くので「俺はロベルト、こちらはアリス、ロードス
ミリアだ宜しく」「こちらこそ宜しく。ところでアリスさんは風の加護、ロードスさんは雷の加護
ミリアさんは水の加護をそれぞれお持ちのようですが・・・」というと「私を加えて頂けますか?」
と続けて言うので入れてやった。そしてクックを狩りに5人で密林へと向かった・・・
 
密林へと到着し、支給品の干し肉にかぶりつき皆に笑われる、武器を担ぎクック
を探し始める、「まったくクックはどこにいるんだか」と俺はぼやき始める。
「まあ根気良く探しましょ」とアリスが元気付ける。森の奥の広い場所に出た時。
ドスショクポスとガラポスの群れがうじゃうじゃと居た。さながらランポス類の村と
いった感じだろう。そんなときにけたたましいいななきと共にイャンクックが姿を現した
「クソッ、こんなときに」と吐き捨てるようにいい、武器を引き抜く、丘の部分にも
ドスショクポスとガラポスがいる。この大軍勢の中5人のハンターで生き抜くのだ。
「フフフ、面白くなってきましたね」というとドレイクはクックへと突進する。
まずアリスが風の加護を身に纏い素早さを上げガラポスを弓で一掃する。そしてミリアは水の
加護を纏いドスショクポスを次々と打ち払う、「俺も負けてられないな」といい
大地の加護を纏いクックへと向かう、ロードスは雷の加護を纏いドスショクポス
を次々と黒こげにしながらクックへと向かう、クックに5人で対峙したとき身体の
自由が奪われる。残っていたドスショクポスがツタを吐いたのだ、動けない。
クックの突進を見たとき最後を覚悟した・・・
 
その時「シュゥゥゥーーー」という音をたてツタが切れる。どうしたのかは分からないが、
助かった。俺は大地の加護を使い土の壁を造る。イャンクックはぶつかり破壊し突進を続ける
だがそのころには俺たちは回避していた。ドスショクポスを殺し、再びイャンクックに
まみえる、そしてアリスの弓が甲殻の間を射抜く、鮮血を撒き散らしけたたましい声を
発するクック、ミリアはランスで突く、ロードスは大剣で溜め切り、俺は鬼人切り、
ドレイクはハンマーでの叩き付けをそれぞれ繰り出す。この連携攻撃に耐えられずクックは
昇天した。村へと戻りたっぷりと休息を取り、皆に聞いた・・・
 
「誰があの時ツタを切ったんだ?」と問い掛けるとドレイクは「フフフ・・・
私ですよ、あの時黙っていましたが私は腐食の加護を受けているのです。」聞いた瞬間
ドレイクの腕が何故黒かったのか分かった。多分腐食の加護は強すぎて自分の身体まで
腐らせようとしているのだろう。「そうだったのか、助かったよ。」といった矢先に「
私は何人もの加護を受けし者に会って来ましたが皆私が腐食の加護を持っていると知ると
私を捨てていくのです。何故なら腐食とは自然にとって忌むべきものであるがため私を
避けて通るのです。仕方ないですよね、いつ自分が腐らせられるかわかったもんじゃない
奴をパーティーに入れるはずは・・・」と涙目で語った。「そんなこと無いさ、用はその
力の制御が出来ればどうって事ないじゃないか、俺たちはむしろ歓迎するぜ!」と言うと
「有難う・・・有難う・・・」と唱えていた。次は団結を強めるため、レウスを狩りに行くこととし
その日は別れた、だがこの後に待っている危機を知る由も無く眠りについた・・・
    第二章 パーティー結成と苦悩
            完