近代から古代へ
 一話
 
200X年人類は発展の一途を遂げたことによる生態系の崩壊を招き龍や
変なモンスターが跳梁跋扈する世界となっていた、だが今ここに古代から
狩猟を営んできた村から古よりの武器を持ち立ち上がった・・・
何故か近代兵器はまったく歯が立たないからであった。だが古よりの武器は
それらのモンスターに容易く傷を負わせるのである、そして今や一家にハンター
一人は常識で自らハンターになるものまで出てくる始末で近代から過去へ
戻ったようであるという・・・
 
 
 二話
 
そんなこんなでとある村からこの話は始まる・・・
「さてイャンクックとやらでも狩るとするか」と呟く俺はここ
日本のハンター協会に属する富山新三郎だ。
名前は渋いがまだ二十歳だ、ハンターとなった最初のクエストが
イャンクックというモンスターらしいのだが・・・
そいつは鶏から進化したものらしい。
発生現場に着き武器を引き抜く、刃渡り3、5~4、0Ωm
でハンターカリンガと言うらしい・・・
そうしているうちそのクックと戦うハンターが居た。
そいつは腕はいいのだがドジを踏んでこけたり、
自分の腕から武器がすっぽ抜けたりする。
だが動きだけは一流ハンターに見える。
見ていられず助けに入る。
「助太刀するぞ」と声を掛け刃をやらかそうな羽の付け根に刺す、
もがくところにあいつの槍ボーンランスが喉へと突き刺さる。
ボーンランスは長さ15,0~20,0Ωmの槍でそこそこ
使える。(Ωmは1で10cm)
突き刺さったものを引き抜くとクックは息絶えた。
この後このドジハンターと会ったことが俺の
運命を突き動かすことになるのは知る由も無かった・・
 
 
 三話
 
「助けていただき有難う御座います、私は
フィリシア・サラって言います宜しく」
「宜しく」そんな会話をしつつその姿を
眺めるとサラッサラの長いブロンド色の
髪にモデルのような体型にも飽きたらず
幼さの残る顔…思わず見とれていたことに
気付かれるも「クックが狩れたしパーティー
組んでリオレウスでも狩りにいかないか?」
「良いですよ」と答えたので草原へと向かった。
今はまだこのクエストがサラとの間を縮める
事になるのは知らない…
 
 
 四話
 
一方草原では狩りが行なわれていた。
無論ハンターではないリオレウスだ
狙いを定め降下しアプトノスを仕留める。
そしておもむろに胴体に喰らいつく。
その一方で自分を狙うハンターが向かっている
ことに気付かずに…
 
 
五話
 
サラと俺は森丘へと到着すると同時に
なんともいえない威圧感を放っているような
エリアがある。そこは高い位置にあり広い台地
だそこに地面を踏みしめ蹂躪しているリオレウスが
歩いている幸い此方には気付いていないようだ…
リオレウスの進化過程は諸説あるが、一番有力
なのはクックに何らかの菌が入り込みそれと共生
関係を作ることにより形を変えリオレウスになったという。
菌共生説である。リオレウスは長命で歳をとるごとに強くなり
鱗の色も変わっていくという。最初の100年は赤、500年で青、
1000年を越えるものは銀色になりそいつは特に強いことから
【シルバーキング】と呼ばれている。
即座に閃光玉と呼ばれる発光性の玉を投げ、目をくらませる
古よりの武器ハンターカリンガで喉元に切りつける。だが
鱗の上を滑り手傷を負わせることは出来ないだがサラの
ボーンランスは鱗と鱗の間の隙間を的確に刺してゆく
鮮血を撒き散らしほえるリオレウスの目には怒りが燃えていた…
 
 
六話
 
リオレウスの視力は戻り怒り狂っているものの
血は止まらずとめどなく流れている。
的確に刺したためか動きが鈍いので簡単に避けられる。
刺したところを斬りつけてゆく、今度は先程とは
うって変わって簡単に切れる。
そうしているうちリオレウスは倒れその目は黒くなり
朽ちてゆく、菌が死体を分解しているのだ。
ここにハンターとしての登竜門をクリアした、二人は
旅立っていった。

     短編小説 現代から古代へ
             完