一部 一章
 一章 誓い
 
ここはポッケ村。穏やかであきれるほど平和な村だ。雪山に囲まれた、結構寒いところでもある。ふと、そんなことを思っていると、いきなり背後からディアブロスのような巨体の大男にどつかれ、目の前にあったクエストボードに強く頭を打ってしまった。実に情けない。だが、はむかえば全治三ヶ月の大怪我を負うだろう。何故なら相手はディアブロ装備。
 
こっちはハンター装備。この時点で、すでに勝ち目はない。さらに相手はかなりの巨体だ、こっちも体の大きさには自信があるが、歯がたたない。その巨人は、俺を虫けらを見るような目で見てきてふん、と鼻を鳴らすとクエストに行ってしまった。奴はマルコ=ディアス超有名なハンターだ。奴はかつて老山龍を一人で討伐しただとか、色々な噂がある。
 
(どうせ単なる噂さ!)と、思いながら立ち上がると受付嬢(マーラン=サラ)に優しく声をかけられ少し気が晴れた。彼女は美人の類に入る。ハンター達のアイドルとでもいう所だ「大丈夫?ジャック元気出してね。」俺の名前はジャック=アーバァン17才駆け出しのハンターだ。大剣使いで、ちなみにマルコはランス使いドーデモいいが...
 
「ああ、大丈夫だよ。それよりいいクエストあるかな?報酬が高いの」「うーん...特産キノコ20本900ゼニーこれが今あなたが受けられるクエストの中で一番高いわ。」特産キノコ...本当はやりたくないが「ああ、じゃあそのクエスト受けるよ。」つい引き受けてしまう。これも彼女の美貌のせいなのか...早く飛竜を狩りたいなぁ...
 
ゆらりゆらりと船に揺られてようやく密林にたどりついた。ここはあらゆる飛竜が潜む危険な場所だ。だが、ここ最近は飛竜の目撃例がなく、今は安全だ。今はな...俺の親父はここ密林で死んだ。リオレイアの火玉をもろに喰らい、レウス防具は耐えられなく鎧ごと丸焼けになって俺の故郷ココット村に異臭をただよわせて帰ってきたのだ。その時から俺はハンターになったのだった。復讐するために、だ...
 
親父は俺にとって一人前のハンターだった、
それ故に俺は仇であるリオレイアを倒し仇討ちを果たし、親父を超える
ハンターになる為に今ここにいる・・・そんな昔の事を思い出しながらも、
クエストである特産キノコを探しに歩き出した。目的のキノコを見つけたとき
後ろから爪を掻く音が・・・
 
恐る恐る後ろを向くと...「何だ...ランポスかよびびらせやがって...」そう、そこにはランポスが4、5匹いた。手に持っていた特産キノコをポーチにいれると、親父の形見「アッパーブレイズ」を引き抜く。と、その瞬間!!巨大な影が頭を通り過ぎ目の前に降りてくる!密林の女王が!親父を殺した雌火竜が!!
 
そこにはランポスを喰うべく現れたリオレイアだった。しかもこいつは親父
を殺したリオレイアだったことはすぐに分かった。なぜならこのアッパー
ブレイズの折れた刃の一本が首に刺さっていたからだ。「こっこいつが親父を」
怒りのあまり血が沸騰しそうになるのを必死に抑え冷静を取り戻した俺は
瞬時に刀をしまいこみ保険で持っていた閃光玉を投げ視界を奪い一撃を喰らわす・・・
 
その刃は雌火竜の顔に直撃し、刃は眼を引き裂いた。血がどっと溢れ出し血のにおいがあたりを臭わせる。やった、と思ったのもその時だけだった雌火竜はすでに視力を取り戻しかけていた。ジャックはそんなことを知らずに攻撃をしまくる。ついに視力を取り戻した雌火竜はジャックに怒りの突進を喰らわせる。無論、防具は砕け散り、かろうじて命をとりとめた。だが、もう動けない。足の骨が折れたのだ。雌火竜こっちを向いている...
 
追撃を喰らわせるべく、こちらに顔を向ける・・・「やられる」と心の中で
唱えた、親父の足元にも及ばないのかと思った瞬間、オトモアイルーが自分の
武器を差し出し、これを松葉杖にしろと言う。すまないと思いながらも
受け取り何とか立ち上がる、そしてオトモアイルーは「さよならにゃ楽しかったにゃ」
と言い残しレイアへと立ち向かっていった・・・
 
そしてオトモアイルーはレイアのもう片方の目を爪で切り裂く、俺は何も
出来ないのかと悔やんでいたとき傍にツタを見つけたそれを折れた足へと
くくりつけ歩き「俺も一緒に戦う」とアイルーに言いアッパーブレイズを
脳天へとクリーンヒットさせる。
 
雌火竜がよろめいている。チャンスだ!ジャックは雌火竜の腹の下へ潜り込む!そして力を溜めて溜めて時放つ!!腹を引き裂く一撃は血をどっと溢れ出させる。オトモアイルーのギルバードも追撃を喰らわせると、雌火竜は横倒した。ギルバードは一撃を喰らわせ地面に倒れる。実は俺は見ていた、ギルバードに雌火竜の顎の刺がわずかだが、あたっていたことを。ジャックは足の痛みを堪えて最後の一撃を喰らわす。これが効かなかったら終わりだ。ジャックもぶったおれた。
 
俺は気を失いかけながらも傍らにギルバードが倒れているのを見つけ抱きしめた。
もう傍らにはリオレイアが息絶えていた・・・何処からか火竜の声がした・・
暫くしてリオレウスが飛んで来たではないか。たぶんこのレイアとツガイだったの
だろうヤバイ!!やられる!と思った瞬間ギルドのネコが助け出してくれた・・
その時気を失った・・・  気がつくとテントであった・・ネコの秘伝の薬で傷や骨折は治っていた・・・
 
傷は治った、しかしもはや防具はあちこちがへこみ、砕けて使いものにならなくなっている。ジャックは諦めた。このままでは勝てないと判断したのだ。もしこのまま戦えば自分の傷はともかくギルバードはすでに瀕死している。毒のせいだろう。解毒薬は使ったが戦えそうもない。アイテムも残りわずか、目標の特産キノコは採ってある。それにそばには雌火竜の素材がある。おそらくあの運んだアイルーがとってきてくれたのだろう。気付ばもう残り時間がない。俺は特産キノコ納品し、密林を後にした...
 
ポッケ村への帰路に俺はギルバードに終始謝ったりお礼を言ったりしていた。
何よりリオレイアという仇に勝てたのは紛れも無くこの目の前にいるギルバード
のお陰であるのは言うまでも無い。ポッケ村に着くとあのリオレイアの頭蓋骨が
届いているではないか・・・それを親父の墓へと捧げ誓いを立てた。
このポッケ村を守り世界一のハンターになると・・・
         第一章 誓い    完