一部 三章 前編
 三章 未知のモンスター 前編
 
ジャックとヘレンはよく考えもせずに式を挙げようなんて言ったが、まだ、いや
そんなことはかなり早いんじゃないかと話し合った。当然だ。出会ってからまだ
一年も経たずに式を挙げるのだなんて、馬鹿にもほどがある。これからも一緒に
狩りを行い、そのなかで俺たちは本当に合うのかを決めることにした。最低でも
五年間はそうしようと決めた。まだ俺とヘレンは17才だ時間など有り余るほどある
そうした事を酒場でビールを飲みながら話し合った。酒場で飲み会を終えたジャックと
ヘレンは一晩、幸せな一時を楽しみ寄り添いながら眠りについた...これから
起こる天災がポッケ村を襲うことも知らずに...
 
幾日か経った後異変が起きたのだ、狩場である雪山に1日中吹雪が吹いているのだ
もうじきポッケ村にもとどきそうなほどの吹雪である。俺はヘレンと何かを感じ取っていた。
ハンター達の間で噂になっている古龍クシャルダオラが関係している事は一目瞭然だった。
ヘレンは「何だか怖いわ胸騒ぎがする」俺は「大丈夫さ、俺達で様子を見ようじゃないか」
といい、さらに「フィアーズとしてもし古龍クシャルダオラだとすれば、俺達で狩ろうじゃないか」
といい皆で用意をし、明日早くに様子を見に行く事とした・・・
 
雪山に着くと悲惨な光景が目に入った。木は薙ぎ倒されアプトノスが凍死
している。吹雪はかなり強く気を抜いたらどこかに吹き飛ばされてしまう
のではないかと思うほどだ。視界が悪い、それにかなり寒い。ホットドリンク
を飲んでも肌寒い。念のため<トウガラシ>と<にが虫>をもってきといてよかった
こんがり肉を腹いっぱいに食べ携帯食料をポーチに詰め込み、支給用閃光玉も
入れ、フィアーズは鋼龍クシャルダオラ目指して進んだ
 
進むにつれて吹雪も激しくなる奴が近いのであろう。ヘレンはキリン装備で
来た為かなり寒そうだ、俺は「これでも着る?」と厚手のインナーを手渡した
「ありがとう」といいヘレンは着込んだ。その時一気に吹雪の強さが増した、
ビークが「ジャック、ヘレン奴だクシャルダオラだ、来るぞ!」と大声を張り上げた
途端に戦闘態勢へと移行する。奴が着地すると同時に一斉に毒投げナイフが襲い掛かる
奴の風の衣が消えた、毒が効いたのだろうそしていつも通り閃光玉をジョディーが投げ
ての目晦ましからの一斉攻撃やったかと思った瞬間奴は飛び空中からのブレスをヘレンへと
放った・・・
 
「ヘレン!!」と俺は叫び、無我夢中に走り出しヘレンのところへ向かう。そして俺は体を
盾にし、ヘレンを守った。体が吹っ飛ぶ。そして俺は暗く深い崖に落ちていった...
....どのくらい経ったのだろう...体を動かせない...武器がとなりで刺さっている...
俺は死ぬのか...頭の中に「死」という言葉がよぎる。永遠の眠りにつきかけたその時、
何かが喋りかけてくる.....!!親父の声だ!「ジャック、お前は村を守るんじゃなかったのか!」
ああ、そうだ俺は村を守るって誓ったんだ...でも...俺には無理なんだ...と思った時、
武器の根本に何かがあるのに気づいた...それは回復薬らしきものがあった。回復薬でなにが
できるんだ...その程度のものでは意味がないと思いながらダメ元で飲んでみる.....
体....が動く!?なぜだかわからないが普通に動けるようになった。ハッ!!
ビーク達はどうなったんだ!?そしてヘレンは無事なのか?ジャックはホットドリンクと
携帯食料を噛まずに飲み込み、崖をよじ登る...ビーク達の無事を祈って...
 
登りきるのに長い時間が経った気がする...ついに登りきり俺は
その光景を信じることができなかった。そばに鬼斬波が頭に刺さった
クシャルが死んでいる。ビークがとどめをさしたのだろう。
そのビークが倒れている。その周りをジョディーとヘレンが囲っている。
二人とも泣き崩れている...まさか!まさか!!嘘だろ!?ジャック
は急いで駆け寄る。頭に次々と出てくる言葉に自分が憎くなる。
そんなはずがない!あるわけない!と思ってもすぐに現実がそれを打ち砕く。
ビークは、ビーク=ドノンはこの世を去っていったのだ。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」俺はその場で泣き叫ぶ。ビークの死に悲しみ、
己の無力さに泣き悲しんだ。そして決心した
「強くなる。必ず...」そう言い残し涙を拭いビークを担いでポッケ村
へ戻り、ビークを埋めてやった。鬼斬波をさして...
 
ビークの死後、ビークの妻ジョディーは自分達の子供もとへ帰っ
ていった。「私まで死んじゃったらあの子達を養うことができな
くなっちゃうから。あの人の子供を精一杯育ててあげないと死ん
だ時に会わせる顔がないからね。」といって静かにポッケ村を去
っていった。それはハンター引退ということを表していた。ヘレ
ンはミナガルデの街にいった。用事があるのでしばらくは帰っ
てこないという。理由を聞いたが教えてはくれなかった。
そういう俺は今沼地にいる。それはだな...
「ギシャァァァァァァァ」地中から青い甲殻を持ち鎧竜の
頭殻を殻にした甲殻種「ショウグンギザミ」が俺がさっきまでいた
足場から鎌をだし、矧いでてきた!俺が何故こいつを狩っている
かというとギザミの防具を作るためだ。クックの防具では通用
しないと解りこうして鎌蟹と戦闘中という訳である。
...この行動が近く、幸を成すということはいずれ知ることになるだろう
 
ショウグンギザミを狩り終えた俺は、素材をはぎ取り
村に帰ろうとした。その帰り道、俺は不思議なものを
見た。遙か高い空にひとつ白く、神々しく輝いた物が、
空を飛んでいた。俺はそれをポーチの中にあった、望
遠鏡で見た。それは見たこともなく白く輝き、見とれ
てしまうほど美しい龍だった。その龍は俺に気がつい
たのか、さらに上に上昇し、見えなくなった。「新た
な古龍種かな。それにしても美しい龍だったな。」と、
俺はぼやき、村に帰ろうとした。そのときだった、と
ても遠い方から地響きが聞こえた気がした。だが、俺
は気にしないでそのまま歩き出す。その地響きは俺に
近づいてる気がした...悪魔でも、気がしただけだが...
 
村に帰った俺は、前に狩った素材と今はぎ取ってきた素材をポッケ村の武具工房のところに持っていった。中から小さいおばあさんが、出てきた。耳は尖っていて、でかい。おそらく竜人族だろう。「おや、ジャックかい。さ、中に入るが良い。」俺は素材を渡し、キザミシリーズを作ってもらうよう、頼んだ。「あいよ、三日間、はやくて二日間は待っておくれ。」と言い、普段は、店番をしている竜人族の兄さんと一緒に作業をしだした。そして俺はここに来た二つ目の目的の物をばあさんから、受け取った。それは、〈バルバロイブレイド〉火属性を持った大剣だ。ジャックは今、どんな敵にも対応できるように、五属性、全ての大剣を揃えることにしたのだ。ジャックは<バルバロイブレイド>を受け取り背中に納め、自宅に戻り、寝ついた...
 
その2日後だった。ジャックは朝早く起き、工房にいき
ギザミシリーズを受け取るため、村にでた。.....妙に村が
騒がしい。とりあえず俺は工房に行った。工房も何やら
騒がしい。一体なんなんだと思い聞いてみた。「一体何
を騒がしくしているんだ?」「ああ、ジャックかい。大
変だよぉ。」「何が?」「知らないのかい!?ここに奴
が来るんだよ。巨龍ラオシャンロンが!」それを聞いた
とたん、体が硬直した。「ラ、ララ、ラオシャンロンー
!!!」マジカヨ...思いもよらぬ出来事に頭がこんがら
がる。「ここにくるまでに砦があるらしんじゃ。そこで
撃退しない限り、望みはないということじゃ...」冗談じゃ
ない!この村を破壊させてたまるかっ!「その砦にはい
つ来る!!」ばあさんは、「あと四日もすれば着くとい
うことじゃったらしいが。」俺はその言葉を聞いたとたん、
俺が頼んだギザミシリーズが作業台に置かれ、もう完成されていた
ものをすぐに着用し、自室に戻った。そして、作った
ばかりの〈バルバロイブレイド〉を背にせおい
村を出ていく。親父との誓いを守るために.....