魔龍人26~30

 

 二十六話
 
一人が口を開いたが、もう一人は黙っている
「全く無茶して・・・って初めて会うんだけど」
アスナの言葉にそれを言っちゃいけんだろうと言いたげに、もう一人が顔をしかめた
「フッ・・こいつを倒して帰るぞ・・・」
その顔は覚えてる・・・・レクエムだ!
黒いレウスはものすごいスピードで突進してきた
それに対抗するようにアナスが大剣を向ける
「どぉーりゃー」
アスナの一撃で尻尾が切れた・・・レクエムは心の中で、
(さすが馬鹿力)とつぶやいた
ガーナを追う途中、木々の林があったがアスナが手で押し倒したことがあった
レクエムが翼に剣を刺した瞬間、レウスがのけぞり翼爪が壊れて欠片となった
レクエムは素早い動きを利用してもう片方も軽く壊す
そのあと、突進を連続で放ってきたが、アナス達の援護ですべてよけれた
アスナはガーナを見ると自分の名前を言いだした
「私はアスナっていうの。あんたがガーナよね?ずいぶん子供ね」
アスナの言葉に怒りを覚えたが、それはアスナの力を出せという合図だったと、
後から始めて気づいた
レウスは突進をこちらに向かってしてきたと同時にガーナが迎え撃つ
レウスとガーナにほぼ同時に攻撃は当たった
レウスは最後まで踏ん張ったが、姿勢を崩して倒れた
ガーナは吹き飛ばされたものの草がクッション代わりになり、
それほど大きな傷は負わなかった
戦いは夜に終わった。
暗闇の中で王者は力なく倒れている
ガーナは2人に見られてるのを気にしたが、レクエムが言葉を発した
「帰らないか?」
アスナは不満なのかちょっと膨れてるが、目はうるんでる
アスナは大きく息を吸っていった
「全く、お子ちゃまを探すためにこんなに汚れるなんて・・っまいいか」
ガーナはまたイラっとしたのは「お子ちゃま」というのをつけたからだ
「お子ちゃまは余計だ!それにお前は馬鹿力だろ」
アナスが飛びかかってきた
「なんだって~?お子ちゃまに言われたくないわよ!」
その取っ組みあいを見ていたレクエムが笑っているかのように見えた
「痛っ」
ガーナはやはりレウスとの衝突で怪我をしていた
アスナはすぐに下がると、ガーナを背中におぶった
「なにすんだよ!?」
アスナは笑みを浮かべながら、勢いよく走った!
レクエムも付いていくが、いつもみたいに歩かず走っていた
「怪我して動けないんだからおとなしくしなさい」
アスナの言葉にガーナは心で感謝した
三人が走る中、不気味な暗闇がどんどん薄れていった
「チュン、チュン」と小鳥たちの鳴き声がする
「ヒューヒュー」と風の吹きぬけていく音が響き三人の背中を押すように吹いた
太陽の眩しい光が三人を包んだ瞬間だった
 
二十七話
 
三人は太陽が昇る中、風に背にかけぬけていく
ハンターハウスのロビーには帰ってきた者たちがいた
森丘から帰ってきた、コノカとセツナは椅子に座っている
前には薬草の山がある・・占いに使うらしい・・・・
今までいなかったレッグは火山探検していたらしい 
獄炎石がレッグの前に置かれている・・大きさはゲリョスの頭ぐらいだ
アーザ達は巨大な角を持ってきていた・・キングタロスの角だ!
コノカは驚いた表情でキングタロスの角を眺めている
セツナは困った顔をして、戸惑っている
だが、コノカの興味は獄炎石にもあったので、それも手に取る
「セッチャン、これ薬草すりこんだらいい占い道具になると思わん?」
コノカは笑顔で発言したが、セツナは心配そうな顔をして
「お嬢様、危険です。まだ、棘がついてたり、火傷したりしたら・・」
言い終わった後、コノカとセツナは角と獄炎石を引っ張り合う
その光景は周りを和ませたのは、ガーナがいない今だったのかもしれない
ロビーの受付の女性も笑って見ているがカエンが近寄ったので、
少し距離を置いた・・・アーザ的にそれは正しい判断度と思った
セルメンは新しく作ってもらったキングタロス装備を観察している
頭部は立派な角がYの字に分かれていて、胸部は棘がたくさん生えている
手部は大きな棘が肩から肘にかけて付けられている
腰部はとげとげしく、防具を鋭い棘が包んでいるのが不思議だった
脚部はかなりシンプルで、膝から腰にかけて大きな棘が連なっていた
本人は当分切る気がないらしい・・・触っているが中身を見ようとはしない
ロビーに置かれている灯や花はその風景をさらに明るくした
イスと机は黒に塗りかえられているが、村長の趣味らしい
一同は外の風の音も気にせず、にぎやかにすごしていた
だが、突然ドアが開く音に振り向かないものはいなかった
入ってきたのは連絡用アイルーだったが全身汗だくになっていた
受付の女性はすぐ近寄って内容を聞いてるが声が小さく一同には聞こえなった
受付の女性はすぐ立ち上がったが、顔は真剣そのものだった
全員が息をのみ、あたりの雰囲気がさっきとは違った
「皆さん、大変です。モンスターがこの付近に急速に増えてます。
このままだと、この村も危ないわけです。
人数が足りずギルドから、皆さんにも協力する様にいわれたようです」
全員は自分の武器と防具、そしてアイテムを取りに一斉に部屋に向かった
 
二十八話
 
アーザとハサの部屋
部屋には武器の資料がたくさんあったが全部ハサのものだ
アーザは弓を手に取り、防具を装着するが赤い髪は防具から出ていた
アイテムをポーチにかなり詰め込んだので、中はグチャグチャだ
「ハサさんは今どこにいるのかなぁ?」
不安が心をよぎるのを感じてしまった
コノカ・セツナ・アスナの部屋
こちらも急いでいろいろな準備をしている
アスナのアイテムを見てふとっ、
「アスナ、いつ帰ってくるんやろう?どこいったんかなぁ~?」
セツナは不安なコノカの気持ちを察知してこういった
「大丈夫です。アスナさんはすぐきますよ」
笑顔で頷き、コノカは自分のポーチからある道具を出した
「セッチャン、これ持っててなぁ。」
それは、コノカの作ったお守りだったが、薬草の匂いがほのかにする
壁一面には、占い道具の資料と剣が飾られていた
「ありがたく、ちょうだいします。行きましょう」
双剣と太刀を重ね合わしながら部屋を後にした
ガーナとセルメンの部屋
セルメンは己の部屋にある防具に目を配ったが、一番気に入っている防具に手をかけたと共にガーナの集めていた武器を見た
(あいつは帰ってくるはず・・・こういう時に)
心に言葉をしまって大剣を背負って出ていく
レクエム・レッグ・カエンの部屋
レッグはレクエムのことを心配していたが、カエンは急いで準備している
カエンの集めた笛が壁に飾られているがそのうちのひとつをとった
レッグはハンマーを持ち、すぐ部屋から出ていった
カエンはレッグの気持ちがわかっていたが、なにもできなかった
「ドンドンドン」
足音があちこちからする中、受付の女性は飲み物を用意していた
全員がロビーに来た頃にはとっくに並べられていた
「戦えない私からのせめてこれだけはさせていただきました」
皆はありがたく飲み終わるとそれぞれ表情が違う中、出発した
あるものは不安な顔つきをして、
あるものは希望を抱いて、
あるものは決心を固めて、それぞれ走っていく
受付の女性は彼らの背中を見ながら、目に涙を浮かべ、
「幸運を願います・・・私の彼のようにならないことを・・」
村はハンターあふれていたらしいが今はパーティの者たち以外一人もいなかった
村長が待っていたかのように行く場所を教えてくれた
アーザ⇒雪山
コノカ・セツナ⇒森丘
セルメン⇒密林
レッグ・カエン⇒樹海
と書かれていたが村長は不安な顔をして訪ねてきた
「残りの者たちは何処に行ったのじゃ?」
「あとからくるわよ。・・・・必ず!」
そう言ったアーザは雪山に向かった
コノカはセツナの手を力を込めて握っていた
セルメンは密林へと続くゲートをくぐった
レッグとカエンは樹海を目指して、進んでいった
村長はその光景を見ながら、希望にあふれた顔をして、
「頼んだぞ諸君・・・・」
そういい終わると村長の近くに一人の男が着た
村長は驚いた顔をしていった
「ヒダカ・・お前も行くのか?」
彼の名前はヒダカというらしいがランスを背をっている
ヒダカという男は村長を尊敬の目で見つめ
「じい様、大丈夫です。かつて、あの黒龍を倒したあなたの息子なんですよ俺は・・・・だから、必ず帰ってきます」
「ヒダカ!」
ヒダカは村長に背を向け、走っていった
その顔は不安と希望が入り混じった表情をしていた
鳥は空に飛ぼうとしなかった・・まるで、何かを恐れるように・・
 
二十九話
 
こちらは雪山・・・アーザを含め4人のハンターがここに来ていた
崖には雪が積もっており、吹雪でさらに積もっている
周りには岩肌がはみ出た場所と、雪で埋め尽くされた場所があった
寒さに強い植物しか育たない場所なので、植物の姿はほとんどない
ほかのハンターが来た跡は雪により消されている
アーザはブランゴを5体相手にしながら弓を引いていた
「ヒュー」と吹雪の音が弓の音を消していた
アーザは的確にブランゴを1体ずつ倒していく
最後の弓の音が響き終わった時、ブランゴはすべて倒れた
アーザはやっと一息つけので安心した
「これぐらいかな?」
だが、安心するのは早かったのだ、ドドブランゴとドスギアノスが現れた
アーザはまた弓を素早く構えたが、攻撃はもう飛んできていた
「もうっ」
アーザは飛ばされたがすぐに体勢を立て直して、弓を射た
ドスギアノスがひるんだが、ドドブランゴは避けた
そのあとも、ドスギアノスを集中的に狙うが飛びかかり攻撃に惑わされた
だが、アーザの弓にはある効果が秘められていた、それを出す
ドスギアノスは余裕の表情で攻撃を避けたを思われた
だが、アーザの予想が的中したのは拡散を発動したので横にも広がる
ドスギアノスは避ける方法が分からず、喰らってその場に倒れた
ドドブランゴはその様子を見ていたがドスギアノスが倒れると襲いかかってきた
アーザは次に弓に何かを塗ったが、素早いドドブランゴの動きに弓が当たらない
「これならどう?」
アーザの放った矢はドドブランゴに深く刺さったと同時に動きが止まった
それは、アーザが塗ったマヒダケのエキスだった
その間にアーザは素早く爆弾を仕掛け、起爆した
ドドブランゴは暴れながら力なくして倒れていった
一息つこうとしたがそうはいかないらしい、どこからか咆哮がする
聞いたこともない咆哮、かなり荒い咆哮だ
アーザの前に空から降りてきたは見たことない飛竜が現れた
そのころ、森丘ではコノカとセツナが王者と女王の相手していた
ランポス達が約5体、ランゴスタが10体いた
空は相変わらず青空が広がっていたが、咆哮が響いていた
花が火の玉が側を通るたびに揺れる・・そして、女王が踏みつぶした
まず、ランポスたちの排除をはじめたのはリオ夫婦だった
ランゴスタも突進のさいどんどんくだけていった
コノカはリオレイアを相手にしているが、火の球を軽く避けた
占い道具の勾玉をリオレイアを打ちつけながら、双剣で切り裂いていく
女王が突進をコノカを狙ってきたが、コノカは素早い動きで避けた
双剣を使ってレイアのサマーソルテの瞬間に切った
尻尾はそのまま転がる・・・リオレイアは怒りの表情を現した
セツナは王者リオレウスを一発ずつ切り裂いていた
「桜・舞奏!」
その瞬間、花びらがリオレウスを切り裂きながら舞っていった
血しぶきが「ブシャッ」っと音を立てながらちっていった
リオレウスはその場に崩れ落ちていった
「このくらいの的に苦戦してはコノカお嬢様の護衛として恥だ」
そういうとセツナは刀を鞘におさめた
コノカのほうは、よけるのに苦労はしたが落とし穴にはめた
「これで終わりやで」
コノカが鬼人化を発動した瞬間に周りの空気が双剣にまとった
乱舞による攻撃は肉質だけではなく空気を裂いていく
女王の顔を切り裂いた瞬間、力なく崩れ落ちた
セツナがすぐに駆け付けたが、顔は心配そのものだった
「お嬢様、お怪我はありませんか?」
コノカは笑顔を作ってセツナの手を握った
「大丈夫やで。それよりこんな多くのモンスターを倒したのは久しぶりやな」
その瞬間の景色は鳥が飛びかい、草が風に揺れていた
そんな中、セツナとコノカの前に何かが降り立った
だが、その姿はセツナ達には見えてなかった
そのモンスターは2人をにらんでいた
 
三十話
 
そのころ密林ではセルメンがモンスターを討伐していた
雨が激しく降り、雷がそこらじゅうに音を鳴らし立てる
風はただでさえ強いのに、追い打ちをかけるようにモンスターが攻撃してくる
海は波が穏やかとは言えない状況になっていた
ブルファンゴとコンガを相手に大剣を振り回し、一発で倒していく
コンガが近づいて飛びかかりをしてくるが、空中で一刀両断した
ブルファンゴが途中で邪魔してくるが、閃光玉で動きを封じた
そんな、セルメンの前にイャンクックとドスファンゴが現れた
2体は息を合わせたかのように同時に突進をしてきた、すかさずガードする
後ろに少し下がったが、困難はこれからだった
突進と尻尾攻撃が交互にされることによって攻撃ができなかった
セルメンは「チッ」と舌打ちをしてドスファンゴを蹴り飛ばした
「なめんじゃなーぞ」
足をうまく使ってシビレ罠を仕掛けた、それにドスファンゴがはまる
イャンクックが邪魔しようとしたが、顔を思いっきり殴ったらひるんだ
そのあとに、タメ切りの一撃をドスファンゴにお見舞いした
すぐ立ち直ろうとした、イャンクックには投げナイフを投げた
イャンクックが姿勢を崩して暴れたがセルメンのため切りによって倒れた
セルメンもこんなに多くのモンスターを相手にしたのは初めてだった
ガードに力を入れすぎたせいか、体がかなり痛む
だが、彼を休ませようとはしない影が迫っていた
セルメンはそれに気づいたのは当たり前だ・・ランゴスタがこんなにいるのだから
そのころ、カエンとレッグは樹海に足を踏み入れていた
メラールやアイルー・チャチャブーが大量に外に出ていた
カエンは高台で避難するととも援護をした
カエンの笛の音は樹海中に広がっていったが、大型モンスターはまだいない
レッグは一体一体を気絶させながら、攻撃していた
それを1時間続けたレッグとカエンはアイルーとメラールを全滅させたがチャチャブーがまだ大量にいた
レッグは回転投ぐりなどで、どんどん蹴散らしていった
カエンが攻撃力が上がる音楽を奏でたおかげで一層速く倒した
そこに相手にならんと、キングチャチャブーとヒプノップが現れた
高台からカエンも降りて攻撃に加わった
ハンマーを何回も頭に当てるがなかなか気絶しない
逆に尻尾回転により吹き飛ばされるが閃光玉を使った
そのおかげで、視覚を奪われたヒプノップの頭に強力な一撃を放った
カエンはキングチャチャブーの素早い動きに惑わされていた
一撃は当てれるもののなかなか攻撃できない
だが、たまたまポーチから落ちていった閃光玉により動きが止まった
その瞬間、ブン殴りが炸裂すること30分後に2体のモンスターは倒れた
その2体を倒したのを見たあるモンスターが2人の目の前に現れた
レッグは前から知っていたような顔をしていった
「こいつは迅竜の・・・あいつか!?」
カエンはその瞬間驚いた表情をした
黒いモンスターは睨みながらも、うなっている
「え~。こいつがあの迅竜なのか?」
2人は己が目の前にしている脅威に怯えた
そして、火山に向かったヒダカだが彼はモンスターにあっていた
テオ・テスカトルとナナ・テスカトリが彼の前に立っていた
「古龍なんて相手にしたことないぞ・・!」
そんなヒダカの心情なんて知らない2体は襲いかかった
彼は体が震えて動けなかった
 

 

 

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